youR ~カレースプーンをつくる~を開催しました
指導員の浦上です。
今回もRをつくる事を意識したスプーン教室を開催しました。
スプーン作りには「見た目」と「使いやすさ」のバランスが取れた形を目指さないと不格好だったり使いにくい物になってしまいます。
その両立を意識しながら自由に削ってみて下さい。というのは中々難しいので、今回は私が現時点で考えた形を目指してもらいます。
←の画像も左から順に改良を重ねた物で、右に行くにつれ徐々にデザインが変わっていきました。
小さな木を削る工作にはなりますが奥が深い世界なんです。
荒木取りされた形からスタート。
今回のスプーンは持ち手の形が六角形なので、刃物で削ってはいけないラインを引いていきます。
そしたらまずはスプーンの掬う部分「つぼ」と呼ばれるところから彫刻刀を使って削っていきます。
今回扱う「丸刀」は荒堀と仕上げ堀の両方を一本で出来る便利な物に研いであります。多少癖のある使い心地なので少しずつ慣れていくよう、慎重に削り進めます。ポイントは薄く、浅いRを徐々に広げて、深くしていくことです。
口に触れる部分なので結果は使ってみないとわからない。というのも面白い部分ですね。
表側を掘ることが出来たら裏側を小刀で荒く削り落とし、小鉋で落とします。この時点で少しスプーンの形が見えてきますね。
掬いやすさの要は縁です。とにかくここに厚みを残すと使いにくさが目立つので、それぞれの道具で狙えるところまで削っていきます。
道具によって手の動かし方が変わります。使える物が増えると作れる形が増える。難しいですが今回はあえて色んな道具を使うスプーン作りにしました。
後半は柄の削りです。ここからは集中力との勝負。六角形の形になるよう、鉛筆線を削らないように注意しながら少しずつ形を削り出していきます。安全な道具の持ち方、扱い方をベースにそれぞれやり易い姿勢を探りながら工作は進んでいきます。
仕上げはヤスリがけです。ペーパーには番手があり、それぞれの荒さによって仕事の仕方が変わります。形を変えるもの、木肌を整えるもの、塗装の仕上げにかけるもの。その番手を理解することと同じくらい重要なのが当て木です。その作品に見合った形や硬さの当て木を使うことでペーパーのポテンシャルを最大限に使うことが出来ます。
最後に塗装をして完成です。今回はお米から出来た「キヌカ」を使います。溶剤が使われていないのでカトラリーにも使える浸透系オイルです。木本来の色味が綺麗に出てきました。
皆さんお手製のスプーンができあがりました!
簡単そうに見えて奥が深いスプーンの工作、初めて使う道具もあり大変だったと思いますが終始良い雰囲気で進められたと思っております。木のスプーンはお手入れしながら使うことで長く付き合いになり愛着もわいてくるアイテムです。是非色んな場面で使ってあげて下さい。ありがとうございました!
担当:浦上