youR ティッシュケースをつくる~1日目~

指導員の浦上です。
今回は自分でRアールをつけることを意識した授業を開催しました。
Rとは、曲線や曲面のことで、木工作品において丸みというのは作り手の個性が非常に出る部分でもあります。骨格は同じでも、削り込みで唯一無二の個性が出る。そんな作品作りを目指して、今回は箱の形を作っていきます!

今回使用する材はチェリーとウォルナット。どちらも高級家具などに使用される実用性と見映えを兼ね備えた材料です。皆さんには事前に選んで頂きました。まずは材を箱の形に並べてみて色味や木目を見て配置を決めます。

裏表、上下を見失わないように印をつけたら、次に墨付けとよばれる刃物の加工線を引いていきます。ケヒキという道具を使って線を引き、どこまでを鋸と鉋で取っていくのかを分かりやすくします。箱物を作る際は中に物をいれる事を想定しているので、四角い形になるようにこの線は正確に引くことが重要です。

線が引けたら鋸の作業から入ります。今回の「包み打ち付け」という仕口は引き出し等で使われるシンプルな構造ですが、隠れる部分がなく、刃を入れる量を間違うとズレの原因になるので、慎重な作業になっていきます。

鋸で大まかにとれたらノミを使ってケヒキの線まで落としていきます。扱いには慣れが必要ですが、正しい使い方を身につければ便利な道具になります。ノミで取り切った形がそのまま作品に現れるのでここでも正確な作業が求められます。

最後にスライド蓋の取手部分の加工です。45度の部分の事を「とめ」といい、指物の世界では多用されます。この角度同士がぴたっと出会うことで蓋が隙間なく閉まり、ストッパーの役割にもなります。

今回は箱の形を作る、いわゆる骨格を作っていきました。自由な形を作る前には正確な作業が必要になるんですね。
そして次回から丸みをつける作業に本格的に入っていきます!

担当:浦上