木工中級講座開催の様子~前編~

こんにちは、指導員の植木です。

2月から木工中級講座がスタートしました!木工講座とは、釘等を使わず材料を組み上げる指物さしものを学びながら、手加工技術と道具の正しい使い方を身に着けられる教室です。

木工中級講座では指物のジャンルのひとつ「箱物」である三段小引き出しを制作します。今回は全6回のうち前半3日目までの様子をお届けします!

1日目最初は、板同士を矧ぎ合わせて幅の広い一枚の板にする板矧いたはぎに取り組みます。これは今回制作する三段小引き出しの外箱用の材料となり、チェリー材を使用しています。

好みの木目になるよう板を並び替えて、木の反る方向も考慮しながら、あれやこれや。みなさんそれぞれ自分のお供となる板を決めました。

矧ぎ合せる面が決まったら、「中空き」をしていきます。「中空き」とは接着面の真ん中あたりをかんなで空くことで、両端の接着強度が上がり、矧ぎ切れを防ぎます。鉋で数回空いただけ、、に思えますが結構大事な役割があるんです!接着前に忘れずにしましょう。

板矧ぎはボンドの量も大事です。矧ぎ面にボンドの層ができるようたっぷり塗ってください。矧ぎ面に空気が入ってしまうと矧ぎ切れの原因になってしまいます💦

板矧ぎが終わり、次は抽斗ひきだしの前板加工に入ります。

鉛筆や罫引けひきを使って加工線を慎重に引いたら、鋸で要らない部分を大まかに落とします。縦引きと横引きを使い分けて。腕に力をいれすぎず、鋸の力だけで切りましょう。

鋸が終わったら、細かい作業はのみの出番!加工線を超えないように、これまた慎重に鑿を入れていきます。ぴっちり加工線通りにできているか、隙間はないか、、神経の使う作業でしたね。。

2日目は抽斗に鉋掛けをして接着前の最終準備へ。うすーく仕上げ削りをして、機械跡や加工時についた傷を綺麗に取り払います。今回は接着したら鉋が当てられない内側だけ。角が痛くないように面取りも丁寧にしました。

接着をしたら、しっかりと直角が出ているか見ていきます。この直角精度は、最終日に取り組む抽斗調整の際にとても重要になってくるので、少しのずれも許さないように確認をします。

前半最終日は接着した抽斗に更に強度を高めるため、「木釘打ち」に取り組みました。電動ドライバーで下穴をあけて木釘を打ち込んでいくのですが、ここでちょっとひと工夫!木釘に少し角度を持たせてあげることで、真っすぐ打つ時よりも木釘が抜けにくくなります。木釘とげとげのハリセンボン状態で次週まで乾かしておきましょう。

続いて、1日目に板矧ぎをした外箱用の材にあられ組の加工をしていきます。

まずは墨付け作業から。100mm以上の長い距離を罫引きで引くのはガタつきやすく、加工線が二重三重になってしまいがちです💦罫引きを板にぴったりと当てることを意識して、綺麗な1本線を引けるのを目指します。

墨付けが終われば今度は鋸。加工線から1mm程余裕をもって鋸で切っていきます。これも抽斗の時と同様に、次の鑿の作業をやりやすくする工程ですね。

以上で木工中級講座、前半3日間の工程が終了です!前半は道具の使い方のおさらいも兼ねながら、新たに「箱物」の加工に取り組みました。後半戦は、あられ組の鑿加工に入り、いよいよ三段小引き出し完成に向けて、エンジン全開で制作していきます🔥

それではまた後編にて!            

担当:植木