漆塗り体験教室を開催しました
こんにちは、指導員の浦上です。
今回は年輪の里の新しい取り組みとして漆塗り教室を開催させて頂きました。
普段はものづくりがメインの教室が多い中、塗装技術に特化した特殊な教室内容でしたね。
そんな難しくも美しい漆についての教室の様子をご覧下さい。
今回の木地はテストピース用板を3種の樹種で用意したものと、栓の木の平皿です。
漆を塗る前の木地にはヤスリを当て、出来るだけ傷を取り除いておく必要があります。今回の木地はこちらで用意したものになるので、機械の刃物の後をさっと取り除いておくようにしました。
やすりがけが終わり、漆が塗れる状態になったらまずは漆刷毛を使える状態にする必要があります。洗浄用アルコールと漆で刷毛を洗うこの工程が非常に大切なんですね。無事使える状態になったらまずはヘラで漆を乗せていきます。
ヘラで乗せた漆を刷毛で伸ばし木地全面に馴染ませていきます。1度目の漆の塗布では木地の中に漆がどんどん吸い込んでいきます。この最初の工程でいかに漆を木地の中に入れ込めるかが、後の仕上がりに大きく影響してくるんですね。木地に漆を吸わせたら余計な漆をヘラでしごいていきます。
お皿にも同様に漆を馴染ませ、最後はウエスでしっかりと摺り込んで1日目は終了です。
写真でもわかるように漆は木地の木目を引き立たせる効果があります。且つ漆は強靱な塗膜を作り摩耗にも強い最強の天然塗料をいわれています。歴史的に見ても日本とは関わりが深い素材なんです。
2日目の空研ぎ
3日目の水研ぎ
1週間乾かした木地は、2回目の塗布をする前に表面の凹凸をならすために前回よりも細かい番手のペーパーで磨きます。前回のやすりの傷を取りさらうイメージで全面を当てていく、絶妙な力加減が必要です。
最後の塗布となる3回目になるとより細かい番手に上げていくのですが、ここでは水研ぎという耐水ペーパーを使って表面を撫でるようにさっと研ぎます。
漆を塗った後も研ぐことで綺麗な表面に漆を乗せることができます。これを行う事で綺麗な仕上がりになります。
3回目となると漆の吸い込みが落ち着き、漆の上に漆を乗せることが出来る状態になっていきます。ここまで持ってくると漆の艶が出てくる様になります。皆さんのうつわも艶が出てきて綺麗な木目が出てきました。
今回の教室では3回塗りで終了でしたが、家でも環境が整えば意外と手軽に続きをすることができるので、塗り重ねにチャレンジしてみるのもよいかもしれません。
漆のうつわは時間と共に味のある艶を出し良い作品になっていきます。是非、大切に使ってあげてください。
初開催の漆教室、次回はどのように開催しようか…乞うご期待。。。
担当:浦上