10月刃研學の様子

こんにちは、指導員の小泉です。

2ヶ月に1回、継続的に開催の「刃研ぎ學」の様子をお伝えします。

木工、農業、料理、その他の工作など、刃物は常に利用されていますが、作品製作、おいしい料理の仕込み等重要な役割を果たします。しかし、手入れが悪ければ、仕上げや労力に少なからず影響を与える物です。

教室ではまず座学で、刃が切れないというのは、刃先がどのような状態になっているかや、砥石を当てて、刃が切れ味を回復するメカニズム、刃物の種類、材質、仕組みや、砥石の種類などを図を交えてお伝えし、実技に向けてのお話をしました。

砥石は研磨材の粒の大きさにより、荒砥、中砥、仕上げ砥と分かれますが、さらに材質による違いもあり、その点も座学や実習でお伝えしていきます。

まずはお手本を。この写真では包丁を砥石に当てているところを捉えています。

適切な角度を維持しながら、力を込めてゴリゴリ当てず、アメンボが水面を進むくらいの感覚で。と例えでお伝えするのですが、実際砥石に当ててみないと分からないですよね(笑)

モニターで見れる顕微鏡を設置していますので、刃先や研ぎの状態を拡大して見ることが出来ますので、実習中に活用していただきました。画面半分より上が刃物の画像です。これは荒砥石で刃の欠けを取っている途中の状態を映し出していますね。

座学の後は、各個に持参した刃物を研いでいきます。基本的に年輪の里では、中砥石(#1000)仕上げ砥石(#6000)を用意していますが、個人でお使いの砥石を持ち込んでいただいてもOKです。

砥石の面(砥面トズラ)は、慣れない内は片減りや偏摩耗したりと、荒れがちです。

できるだけまめにダイヤモンド砥石や、砥面直し用の砥石などで平面を維持しながら研ぐことを心がけます。

切れ味が回復したか、刃先は理想的な角度で研げたでしょうか?

大工の口伝に「穴掘り3年、のこ5年、墨付け8年、研ぎ一生」というのがあります。

どれだけベテランの方でも研ぎをおろそかにしては良い仕上がりは望めません。

一朝一夕というわけには行きませんが、今回の実習をきっかけに、刃物の切れ味や砥石の事などに興味を持っていただけたら幸いです。

刃研ぎ學は、2ヶ月に1回開催していますので、もっと研ぎについて知りたい方、おさらいをしたい方、初めての方も、どうぞご利用下さい。