~木工基礎講座24期~最終日開催しました
指導員の浦上です。最終日となりました木工基礎講座24期。最初は聞き慣れない言葉の連続、やり慣れない手工具の扱いに戸惑いながらも皆さんここまで辿り着いてくれました。完成を目指して最後まで頑張って参りましょう!
最終日はじめの行程は「コクソ埋め」という加工の際に出来た少しの溝を見栄え良くするためにパテをつくって埋める行程です。しかし認識として間違っていけないのは失敗を隠す物ではありません。加工ミスで出来た大きな溝に多量のコクソをいれても、乾燥時に痩せてぽろっと取れてしまいます。あくまでも、目立たない溝をなくす目的で行います。
次に座面の面取りをしていきます。角を取ってあげることで優しい印象になり、座る際も角が立っている物より疲労感が少なくなります。また、角が立っているところから劣化していくので必ず木製品の面取りは行った方が良いです
刃物の作業が終わったら仕上げのヤスリがけにはいります。面には均一にやすりをあて、角も忘れずにかけていきます。ヤスリをあてることで鉋ではとりきれなかった傷や平面の精度をさらにならす事が出来、塗装の際も表面を均一に毛羽立たせることでムラをなくすことができます。何かと時間のかかる作業ですがここが重要な仕上げ作業になります。
骨格・座面のやすりがけが完了したら座面を固定するための金具の位置決めを行います。木は収縮と膨張を繰り返します。金具の穴の向きも動く方向につけてあげることで木材が動いた際に逃げを作ってあげるんですね。金具は固定をする際に強い力で保持してくれますが、その分木材の負担の事も考えてあげる必要があります。
全ての準備が無事終わり、最後は塗装です。塗装は木製品の保護・美観の元に行います。表面に塗膜を形成させることで汚れや傷をある程度抑制することができ、尚且つ木本来の色味を活かす事が出来る最後の仕上げ工程が塗装になります。塗装の際は塗り忘れの面がないように目立たない反対の面から塗り広げていきます。塗面を全体に馴染ませる様にして、最後はウエスで拭き伸ばすようにして仕上げます。
塗装が完了し、少し置いたら座面の取り付けをします。いよいよ完成ですね。金具が上に浮いてこないように注意して、ネジで締めて固定していきます。座面を取り付ける際も骨格に対し正方形につくように印しをしっかりとつけて取り付け作業をします。最後まで気の抜けない作業の末ついに…
皆さん無事完成し、それぞれの8日間の結果が形となりました。「木工の基礎」というのは幅が広く覚える事が沢山ありますが、皆さん最後まで付いてきてくださり本当にありがとうございました。丁寧な作品を手工具だけで作るのは難しいことですが、まずは技量よりも、理屈を知る。ということが少しでもお伝えできていれば幸いです。
24期生これにて卒業です!ありがとうございました!
担当:浦上